過去ログ - 撫子「これも、また、戯言なんだよね」
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55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/10/17(月) 01:01:26.90 ID:ebFiQ8E3o
「あ」

「ん」

 と、会話が途切れた、そのちょうどいいタイミングで、階段の上から、人が降りてきた。

小走りで危なっかしく、この頼りない階段を駆け下りてくる。

 中学生くらいの女の子だった。

 長袖長ズボンの完全装備。

 腰にウエストポーチをつけていて。

 頭には帽子を深くかぶっている。

 前が見えているのかいないのか非常に不確かで、しかも、見えていたとしても足元だけ

を見て駆け下りてきている感じだったので、下手をすれば僕達と正面衝突していただろう。

たまたま会話が途切れたタイミングだったのが本当によかった、僕と神原駿河は、彼女に、

通常よりも早いタイミングに気付き、それぞれ、階段の脇によって避けることができた。

 すれ違う瞬間。

 彼女は僕らを見て――そこで初めて僕らに気付いたようで、ぎょっとした顔をして、し

たかと思うと、それから更にペースを上げて、階段を降りていった。あっという間に、そ

の背中が見えなくなってしまう。道路に出るまでに絶対に二回は転ぶと思わせるほどの、

それはペースアップだった。



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