過去ログ - 撫子「これも、また、戯言なんだよね」
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58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/10/17(月) 01:03:02.10 ID:ebFiQ8E3o
 全ての思考を振り切るように、僕は階段を登った。

 勿論、振り切るのは思考だけだ。紳士中の紳士であるこの僕は駿河の手は離さない。

 むしろ、知らない山中で不安もあるだろうから、それを紛らわすためにもよりいっそう

密着してあげることにする。

 入り口のところで気付いた、草を踏み潰した足跡は、あの子のものだったのだろうか、

などと考えながら、神社に着いたのは五分後だった……それもまた、階段同様、事前に神

社だと聞いていなければ神社だとは思えないような、荒れ果てた様相を呈している。かろ

うじて、鳥居があるから神社跡だとわかるだけで、建物の方は、どれが神殿なのだか判然

としない。位置関係から判断するしかなさそうだ。

 さっきの女の子も、ここにきたのだろうか。

 しかし、何のために?

 明らかにこの神社に、神様はいない。

 神様だって逃げ出すはずだ。

 忍野風に言うのならば、神様はどこにでもいる――んだろうけれど、それでも、やっぱ

りここにはいないような気がする。

 まあいいか。……とりあえず、仕事を済ませるとしよう。

 正確には、済ませてもらうのだけれど。



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