過去ログ - 撫子「これも、また、戯言なんだよね」
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82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2011/10/17(月) 01:26:45.32 ID:ebFiQ8E3o
 とりあえず、移動しかけて――僕はそこで硬直してしまった。ありえないものを目にし

て、思わず、硬直してしまった。危うく、抱えていた参考書を取り落としてしまうところ

だった。

 いや。

 ありえないというほどじゃない。

 同じ町内に住んでいる人間同士が、その町で一番大きな本屋で遭遇する可能性は、決し

て低くはないだろう――少なくとも、一見ではそこに道があることもわからないような、

寂れた神社に続く階段で、たまたますれ違う可能性や、十年以上、妹がいることを知らさ

れずに、また、その子を妹とは知らずに交際してしまって、知った直後に飛行機事故でそ

の子が亡くなってしまう可能性よりは、ずっと高いはずである。

「……あの子は」

 参考書コーナーのすぐそばの、呪術・オカルトコーナーで、分厚い本を立ち読みしてい

たのは――昨日、すれ違ったあの女の子だった。




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