過去ログ - 撫子「これも、また、戯言なんだよね」
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84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2011/10/17(月) 01:28:02.47 ID:ebFiQ8E3o
 考えている内に、その子は、読んでいた本を本棚に戻し、その場から動き始めた。僕は

見つからないように、咄嗟に身を隠す。別に隠れる理由もないのに、ここで反射的に隠れ

てしまったことにより、僕は声を掛けるタイミングを完全に逸してしまった。本棚を壁に、

迂回するように僕は歩き、その子の姿が見えなくなったのを確認してから、先程まで彼女

がいた場所へと移動する。

 何の本を読んでいたのか、気になったのだ。

 僕の読みが正しければ、この本は十中八九――

「やはり……そうか」

 その本は―― 一万二千円の、ハードカバーだった。

 中学生には買える本ではない。高校三年生の僕だって、今の手持ちじゃ無理だ。参考書

が買えなくなってしまう。

 だから、立ち読みで済ませていたのだろう。

 だが――そんなことよりも。

 問題は、そのタイトルの方だ。

 僕はその奥まったコーナーから出、店内にその子の姿を探したが、すでに彼女は見当た

らなかった。もう店から出て行ったと見るほうが正しそうだ。そう、あの服装からすると。


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