過去ログ - 撫子「これも、また、戯言なんだよね」
1- 20
99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2011/10/17(月) 01:38:19.41 ID:ebFiQ8E3o
「!!!」

 「だめじゃないか!そんな、自分を傷つけちゃあ!もっと自分に誇りを持てよ!」確か、

これは彼の台詞だったか、僕は何故か、それを唐突に思い出した。

 自分が嫌いで嫌いで仕方なく、自分から、結果によっては死ぬかもしれないような実験

に参加していた僕に彼が言った言葉だ。今でも、僕はその誇りとやらを持ててはいないけ

れど、でも、今回、僕は彼に誇れるようなことをした。

 いや、やっぱり彼は怒るかもしれない。僕は傷ついてしまったのだから。

 僕は、その女の子の彫刻刀の軌跡の間に自分の右手を入れた。

 目を瞑ってしまったのか、彼女はそれに気付かず、容赦なく僕の手を彫刻刀で貫く。

「ああっ!ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 変な手ごたえを感じてしまったのだろう。彼女は彫刻刀から手を離し、僕に向かって謝っ

た。僕の腕は彫刻刀を引き抜いてすぐに治癒し、もう、一滴も血を流していないのだが、

何度も。何度も。壊れたオルゴールのように、その謝罪は止まらない。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
180Res/153.03 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice