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2011/12/24(土) 23:26:45.51 ID:MsIdTHw00
 ざわ、と全身が総毛立つ様な感覚が黒子を襲う。 
  
 それを振り切る様に黒子は空間移動を行い、一瞬にしてトレインの視界から消えた。 
  
 そして次の瞬間、彼女の身体はトレインの背後にあり、彼女の視界にはその無防備な背中が映る。 
  
 無反応。 
  
 慎重かつ迅速に、トレインが彼女の出現に反応していない事を確認し、左足を軸に反時計回りに振り返り様に、その華奢な身体を思い切りしならせて、右足の回し蹴りを叩き込む。 
  
 はずだった。 
  
 だが、刹那のタイミングでトレインは反応し、背を向けたまま右腕で黒子の蹴りをガードして見せる。 
  
 「な……!」 
  
 有り得ない超反応に、思わず黒子は驚きの声を漏らし、振り返るトレインの様子を見て本能的に飛び退き距離を取った。 
  
 「おっと」 
  
 トレインはそれを追う素振りも見せず、その場で上半身を少し反らせて頭頂部目掛けて落下してきた物を右手で受け止める。 
  
 「おめーのか?」 
  
 右手に収まった物を見せびらかす様にひらひらと振りながら、およそたった今自分に対して攻撃を仕掛けて来た相手に対してとは思えない気安さで、トレインは黒子に声を掛けた。 
  
 黒子はそれに応えず、出方を窺う為に密かに転移させていた、トレインの手に収まった自身の携帯電話を見つめながら、一つの推論に至る。 
  
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