146:1
2011/12/24(土) 23:46:31.26 ID:MsIdTHw00
それを打ち破ったのは、トレインだった。
彼が飛び退き、落ちた銃を左手で拾おうとしてようやく、美琴と黒子も我に返り、状況の整理が出来ない中で反射的に一歩を踏み出す。
それを牽制する様に、トレインは素早く銃を構え、引き金を引いた。
響いたのは、渇いた発砲音。
ではなく、異様な速度で撃ち出された銃弾が煉瓦を穿つ、くぐもった音だった。
「何だぁ?」
明らかに普段とは違う、愛銃から放たれた弾丸の弾道に目を見張るトレインの眼前で、銃身がバチバチと弾ける様な音を発した。
「レ、レールガン……?」
黒子が呻く。
黒子と美琴は、驚いた表情のままトレインの持つ装飾銃を見つめ、その足は貼り付いた様に動かない。
それも無理は無い。
今、トレインの銃口から放たれたのは、正しく美琴の『超電磁砲』と同じ弾道を描いていたのだ。
トレインはその表情を見て、公園の中心部へ向かう方向、階段十段ほど高くなった場所まで飛び上がる。
「何か良く分かんねーが、チャンスみてーだしこのまま逃げさせて貰うぜ?」
様子を窺う様なトレインの口調に、それでも美琴と黒子の身体は動かない。
「じゃなっ」
それを確認して、トレインは振り向き、走り去って行った。
167Res/100.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。