17:1[sage]
2011/10/18(火) 02:21:43.42 ID:vEUQi9vg0
皿、皿、皿。
佐天涙子の眼前は正にそう形容する以外にない風景であった。
その皿の山の向こうでモソモソと動くダークブラウンのツンツン頭が、この山が更に高く聳えて行くであろうことを暗示している。
カレーライス。ラーメン。ハンバーグ。
あらゆるジャンルの食事を次々と胃に放り込んでいくその姿はむしろ痛快で、涙子だけでは無くレストラン中の注目の的となっていた。
「っか―――! いやー食った食った」
コップの水を一息で飲み干し、トレイン=ハートネットは膨れた腹を満足げにさすりながら向かいに座る涙子に向き直った。
「悪ぃなーこんな奢って貰っちまって。えーと……」
「あ、佐天です。佐天涙子。『涙』に子供の『子』で『るいこ』」
涙子の字の解説に、トレインは顎に手を当てて考え込む様な素振りを見せる。
「なみだ……ねぇ。日本語ってのは難しいな」
「あはは、変な名前ってたまに言われます」
カラカラとした涙子の爽やかさを感じさせる笑顔に、トレインの表情も自然と和らいだ。
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