19:1[sage]
2011/10/18(火) 02:28:50.54 ID:vEUQi9vg0
世間ずれも世俗塗れもせず快活に笑うその表情は、その生き方が彼にとって決してミスマッチしてはいない事を強烈に印象付ける。
「でもいいですねそういうの。なんか『自由』って感じで」
だからこそ、彼女は自然と称賛の言葉を口にしていた。
「だろっ」
そして、その言葉に心底嬉しそうに笑うトレインの姿は、人間的な魅力に溢れて見える。
「ところでよ。奢られついでにも一個頼みがあんだけどさ」
「……もう奢りませんよ」
皿の山を掻き分けて顔を覗かせるトレインに、涙子は警戒心を隠そうともせずに出しかけた財布を後ろに隠した。
「だははっ、違げーって。街を案内して欲しいんだよ。来たばっかでよく分かんなくてさ」
食事を奢らせておいて、更に街を案内しろなどとは図々しいにも程がある話だが、不思議と厚かましさを感じさせないその子供っぽい笑顔に、涙子は苦笑しながら承諾するしかなかった。
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