4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(埼玉県)[sage]
2011/10/17(月) 02:25:27.03 ID:J9oPpOew0
学園都市。
日本国、首都東京。
その西部及び隣県の一部を切り拓いて作られたその都市は、一見すると学園とその周辺産業を中心としたありふれた計画都市でしか無い。
だが、その学校では「超能力開発」がカリキュラムに組み込まれており、総人口の8割に及ぶ学生達が日々「頭の開発」に取り組んでいる。
しかし、科学の粋を結集した都市である半面、能力レベルを0〜5に分け優劣を付けるという性格上、非行に走る人間も多く、治安の悪さも問題として表面化しつつあった。
故に、路地裏を歩く人間は極めて少ない。
が、そんな路地裏を一人、悠然と歩く人影があった。
ツンツンと跳ねた茶色っぽい黒髪に、アウトローさを窺わせる様なラフな格好。
学生でも無ければ、都市内で働く人間にも見えないその風貌の通り、彼は学園都市で生活する人間では無かった。
能力開発を行っている性格上、この都市は外部からの侵入に対する警戒が非常に厳しい。
交通の遮断は元より、都市全体が分厚い壁に囲まれ、中に入るルートは極めて限定的だ。
更にそこでも厳しい検閲があり、煩雑な手続きの上で発行された許可証が無ければ入場を許されない。
その検閲を見事に潜り抜けて見せた男、トレイン=ハートネットは、昼間だというのに薄暗い路地をゆったりと歩いて行く。
こういった場所を歩く人間にありがちな急ぎ足や警戒心などは微塵も感じさせず、まるでウィンドウショッピングを楽しむかの様に視線を巡らせながら大通りの方へと向かうその足が、不意に止まった。
大通りとは逆の、より奥へと向かう細い道の方へ視線を向け、見通しの悪いその通りを見つめる。
その瞬間、その路地の陰から一人の少女が飛び出して来た。
その少女はトレインとぶつかってバランスを崩し、反対側の壁に叩きつく様にしてその動きを止めた。
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