92:1[sage]
2011/10/30(日) 22:36:48.31 ID:HX5XWeMT0
「そう怯える事もあるまい」
唐突に眼鏡の男の反対側、つまり介旅の左側からしゃがれた声がかかる。
介旅は跳ね飛ぶ様に首を回してそちらに視線を向けた。
その時、安っぽいパイプ製のベッドが軋み、彼は自分がベッドに寝かされている事を認識したが、そんな事はどうでも良かった。
視線の先にいるのは、例によって顔の造形までは判別出来ないながらも老人と分かる。
しかし、眼鏡の男以上に異様な雰囲気を発するその老人は、間違いなくまともな類では無かった。
「我々は、君に興味があるんだよ。介旅初矢くん」
革靴の音と共に、眼鏡の男が話す。
何時の間にか、その声は介旅の横たわるベッドのすぐ脇で発せられていた。
「『幻想御手』。それを使用した人間がどうなるのかに、ね……」
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