過去ログ - アイリス「さよなら、ジャンポール」
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1:ny[saga]
2011/10/17(月) 22:15:43.30 ID:kMGjv5NB0
小春日和の麗らかな午後、大神はアイリスと共に散歩に出ていた。
時たま吹く春の風にはまだ少し涼しいものがあったが、
いつも陽気のように微笑むアイリスを見ていると大神の心も温かくなった。
数度の戦いを経、大神とアイリスは恋仲となっている。よき仲だ。
フランスから来たアイリス。いつも大きな熊のぬいぐるみを抱いているアイリス。
まあ、実を言うと恋人というよりは相棒、相棒というよりは保護者と子供だが、
アイリスは子供扱いされるのを嫌った。思春期の少女の扱いはひどく難しい。
だが、それでも大神はアイリスのことが好きだった。
何度も大戦中挫けたことがあったが、その度にアイリスと立ち上がり戦ってこれた。
かけがえのない仲間、そして、小さな恋人。それがアイリスだった。

「ほらー、おにいちゃん。はやく行こうよー」

とはいえ、まだまだ幼いのは事実だった。
彼女の行動は目まぐるしく、とても眼を離すことなどできない。
苦笑しつつ、「待ってくれよ、アイリス」と大神はアイリスを追いかけた。
近づいてくる。あと少しで手が届く自分の小さな恋人。
瞬間、とても強い風が吹いた。春一番という奴だろう。
フランス人形が着ているようなアイリスのスカートが風で靡き、
いやー、と可愛らしく悲鳴をあげて、アイリスが自らのスカートを押さえる。微笑ましい光景だった。


2:ny[saga]
2011/10/17(月) 22:19:34.89 ID:kMGjv5NB0
だが、その行動が悪かった。
アイリスが余りに勢いよくスカートを押さえたせいで、
手に抱えていた大きな熊のぬいぐるみ……、ジャンポールが風に連れ去られてしまった。
高くジャンポールは舞い上がり、大神の視界を越えて遠く川岸の向こうまで連れて行かれる。

以下略



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