過去ログ - アイリス「さよなら、ジャンポール」
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41:ny[saga]
2011/10/21(金) 19:31:48.59 ID:sT9PuPCN0
と。
『ポルナレフ』に唐突に異変が起こった。頭を抱えて霊力が弱まっていく。
しかし、それはこれまでと違う。
『ジャンポール』は此処に居るのだ。彼が抑止しているわけではないだろう。
ならば、ならばそのようなことが出来るのは………?

「『イリス』っ!」

『ポルナレフ』が歓喜したような、絶望したような複雑な声色で言った。
そう、『イリス』だ。
この局面に至り、ようやく発現したのだ。
彼を閉じ込め続けていた主人格が。
だが、何のために……?

「いい度胸だ、『イリス』っ!
『アイリス』を救いにきやがったな、いいだろう!
相手をしてやるっ! 何処へでも憑依しやがれっ!」

『ポルナレフ』が言うと、突然にアイリスの霊力が増大していった。
これが主人格と言うべきか、恐ろしいほどの潜在能力だ。
この霊力であれば、『ポルナレフ』を撃破出来るかもしれない。

「来い来い来い来いっ!
てめえを殺したくてうずうずしてんだよ、俺はあっ!」

だが、いつまで経っても、何も起こらない。
どころか、『アイリス』の霊力がみるみるうちに低下していく。

「お、おい……。『イリス』……?」

拍子抜けしたように『ポルナレフ』が肩を落とす。
見るからに不安そうだ。
急に宙に浮いていたジャンポールが床に落ちた。
同時に『ポルナレフ』の瞳から涙が流れる。

「あれ? 何で泣いてんだ、俺は………?」

「泣いているのは君じゃないよ」

アイリスの口から微妙に違う声が、腹話術のように出ていた。

「てめえ、『ジャンポール』……!
いつの間に戻ってきやがった……!」

「泣いているのは『アイリス』だよ」

「な……! 『アイリス』まで……!
何だよ! 『イリス』はどうしやがった!」

「……死んだよ」

「ああっ?」

「死んだんだ。僕らの主人格は」

「冗談言ってんなっ! 死ぬわけないだろ! 何でいきなり死にやがるんだよっ!」

一人の少女が自分自身と会話を交わす。
奇妙な光景を前に、マリアが何かを気付いたように呟いた。


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