過去ログ - アイリス「さよなら、ジャンポール」
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51:ny[saga]
2011/10/24(月) 21:26:21.86 ID:Ie10TeSW0
「おかえりなさい、お兄ちゃん」

「ただいま、アイリス」

不安は無用だったようだ。
外見こそ異なり始めているが、アイリスは愛しい自分の恋人のままだった。
アイリスと自分は幾度もの困難を乗り越え、此処まで辿り着けたのだと大神は確信した。
これからアイリスは成長していくだろう。
きっと更に素敵な女性に成長していく事だろう。
人格統合の影響がこれからどのように出てくるかは分からない。
アイリスが己の高過ぎる霊力を抑制出来るかどうかも。
しかし、アイリスには、多くの仲間が居る。勿論、大神自身も含めて。
だから、きっと大丈夫だ。

無論、いつかどうしても解決出来ない大きな壁が、立ち塞がる事もあるだろう。
絶望に打ちひしがれ、愚かな争いに心を痛める事もあるだろう。
されど、斯様な時こそ、何人もの仲間がいた事を思い出そう。
長く愛しい恋人を守ってくれていた、一人の仲間の事を思い出そうと思う。
熊のぬいぐるみ……、ジャンポールを見る度に、きっと。
そして、いつか……、
いつか自分に子供が出来たら、その熊のぬいぐるみの話をしてあげよう。
自分の愛しい人を助けてくれた、小さな英雄の事を。
大神は、成長していく愛しい恋人を見つめながら、そう思った。
視線が合い、アイリスは照れたように微笑んだ。
この笑顔のために戦ってきたのだと、今更ながら気付いたような気がした。


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