過去ログ - ヴァッシュ「学園都市に愛と平和(ラヴアンドピース)を!」
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363: ◆DdirWW5ZSY[sagasage]
2011/11/27(日) 21:26:59.53 ID:Se+95jvi0


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そうして二人は無慈悲なる噛みつきの悪夢からの逃避の末、病院の屋上に辿り着いていた。
もう夕方だからか、屋上には誰もいなかった、強く吹き付ける暑い風はヴァッシュにたった
二日前まで自分がいた場所を遥か昔の思い出のように感じさせる。

「なぁ…その右腕…」

上条はその先を口に出しことが出来なかった、実質言いたいことは伝わってしまったのだが、
だからこそインデックスと彼自身をボロボロになりながら守りきった彼にそんな事を訊くと
言う事が酷く無粋な行いのような気がしたから。

「……詳しいことは…言っても信じないよ、ただ、俺の右腕は君の右手みたいに立派な力じゃあない、ただの…兵器だ」


人を傷つける悪だけを消し去り、大切なものは傷つけはしないような、そんな力ではない。
この右腕は違う、ほんの少しでも制御を誤っていたら全てをなぎ倒し消滅させていただろう、命も、人の営みをも。

「……」

その時、上条当麻は常にヴァッシュが浮かべている微笑みのその裏側の闇を垣間見た。
彼は例えそれが誰であっても人を救い続けるだろう、だが決して自分自身が助けられる事は無い
心の何処かで彼自身がそれを望んでいない。

だが、上条当麻にはそれが我慢出来ない。

「そんな事…ねぇよ!結果としてアイツと、俺を救った右腕だろ、たとえそれがどんな力を
持ってようとアンタは間違った使い方をしたりしない!だから、素直に誇ってくれよ、
 俺と、インデックスの分まで」



救って貰った分だけ救われて欲しい、それが今唯一彼にかけられる言葉だった。



「……ありがとな……」







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