4: ◆qwglOGQwIk[sage saga]
2011/10/20(木) 14:43:47.28 ID:nB24EvoIo
「とおくがみえるね」と、その子は言う。
色を失ったその場所は、向こうからもこちらからも、遮るものは何も無く。
見られてるみたいで嫌だな、という気持ちに、なぜ嫌なのか、という問いが重なり。
「すきだよ」と囁くその声も、消え入りそうなほど小さくて。
「わたしも」と返す言葉は、無色の風に隠れて見え隠れ。
イヤだね、と、二人で思った。そして知った。
それがきっと、大人になるということ。
私達は、大人にならないといけない。
変わらずにはいられない。
来年、そして再来年と、年を重ねるごとにこの金色の波は低くなっていく。
いつしか、私達を隠す役目なんて果たさなくなる。
チクチクと、棘が胸を刺すけれど。
その時を見据えるなら、その時も、この場所に居たいのなら。
私達は、誰に見せても、見られても恥ずかしくない花を咲かせないといけない。
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