過去ログ - 女騎士「姫の自慰を目撃してしまった」
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60:『Her Knight in Their Nights』 ◆k6VgDYkyGI[saga]
2011/10/21(金) 22:34:16.92 ID:aYv84ioOo
私はしばらく、あれこれと考えを巡らせたが、結局ありえそうな答えは何も思いつかなかった。

不意に、私は全てが馬鹿馬鹿しくなった。こんなことに時間を取ってる暇はない。
どうせこれは、どこかの作家が書いたフィクションにちがいない。
私はそう決めつけることにした。

さっさとこの部屋を掃除して、自分の部屋に戻ろう。
まだやるべき仕事は残っている。宿屋は急がしいのだ。

私は、ゴミ箱に捨ててしまおうと、今までの推理を便箋ごと手でくしゃくしゃに丸めた。
いびつな形のボールをゴミ箱に放りこむと、かさりという、謎が奈落に落ちてゆく音が聞こえた。

その刹那、私は、突拍子もない仮説をひらめいた。
が、次の瞬間には、その妄想のあまりの荒唐無稽さに、思わず笑ってしまっていた。
そんなことは、およそ起りうるはずがない。
まったく、どうかしてる。疲れてるのだろうか?

しかし、ふと立ち止まってその仮説をじっくり吟味してみると、
パズルのピースは驚くほど上手くはまっていった。

私は考える。

ドアを叩く訪問者。
ペンを止める彼女。
机の中に放りこまれた、読まれてはならない未完の物語。
それを残して、荷物をまとめ、部屋から出ていく彼女。

考えれば考えるほど、状況を説明する仮説が、これしかありえないことに気づく。


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