19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/10/22(土) 00:35:08.43 ID:9yuxyDT00
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唯「りっちゃん、大丈夫かなぁ?」
紬「もう機材も運び終わったし、様子を見にいってみる?」
梓「血が出てたんですよね? 明日のライブ、大丈夫なんでしょうか?」
講堂に機材を運び終え、唯・澪・紬・梓ら4人の話題は自然と律を心配するものになっていた。
澪「傷は多分…大丈夫だと思うけど」
梓「どうかしたんですか?」
澪「いや…あいつ、なんか様子おかしくなかったか?」
抽象的ではあるが、唯と紬の二人には、澪の言おうとしていることがよくわかった。
保健室まで律に付き添った二人であったが、道中での律の様子が異常なことは誰の目にも明らかであった。
なるほど、確かに腕には多量ともいえる血が流れて痛々しく、仮に澪が付き添っていれば患者が一人増えたかもしれない。
しかし、血の勢いに反して傷は浅く、止血さえ正確に行えば、なんてことはない傷だということも、彼女達にはわかっていた。
元来、田井中律という少女は活発で少し男勝りと言える面もあり(反面、軽音部で一番乙女らしい一面もあるが)、なんにせよその程度の切り傷などで泣いたり、ましてやその程度でわななくことは無い、というのが彼女達の見解であったし、それは決して間違ってはいなかった。
律の異常な様子自体もそうだが、もう一つ、彼女達にとって不可解なことがあった。
律が傷のことを気にする素振りを全く見せなかったことである。
仮に異常の原因が傷であったとするなら、それを無視するようなことがあるだろうか。
また律の場合、終始周りを警戒して、何かに怯えているようにも見え、その様子は何か別の原因があるのではないかと思わせるのには十分であった。
彼女達が律を気に掛けた理由もそこにあった。
唯「うん…なんていうか、何かに怯えてるみたいだった」
紬「ケガが原因じゃなさそうだったね…」
梓「そうなんですか…心配ですね。保健室に行ってみましょう」
澪「そうだな。とりあえず、様子を見てみようか」
保健室にはさわ子先生もいるし、と付け加えた。
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