26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/10/22(土) 00:47:30.99 ID:9yuxyDT00
律(一人で終わらせよう…誰にも気づかれないように)
律はほの暗い通学路を黙々と歩き続けていた。
鞄のポケットには、手鏡が入ってある。
すぐに取り出せるように、鞄の内ポケットから移動させておいたものである。
学校の正門前に着く。
下校時間もとっくに過ぎ、職員たちも既に仕事を終えたようで、校舎内の明かりは消えて非常口の緑色のランプが怪しく輝いていた。
夜の学校というものは不思議なもので、その独特の雰囲気からは自然と恐怖心を掻き立てられる。
ましてや律の場合、自ら霊に会いに行っているようなものだった。
このまま学校に行けば、あの校舎内に存在するのは自分と“アイツ”だけになる…
そう考えると、昼間目にした“アイツ”の姿がフラッシュバックしてきて、足がすくんだ。
行きたくない…しかし、行かなくてはならない…
“アイツ”が本格的に自分の命を狙いに来る前に、こちらから攻めなくては。
“アイツ”が自分に有利な状況で、自ら攻めてきた時には最早どうすることもできない。
この手で悪夢を終わらせるのだと奮起して、律は強く前を見据えた。
視線の先の学校は、普段とは違う異質な空間のように感じられた。
律は意を決してその敷地内へと歩を進めた。
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