28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/10/22(土) 00:52:23.50 ID:9yuxyDT00
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律「ホントにいいんだな…?」
校舎の脇、保健室の窓の前で、律は仲間たちにそう確認をとった。
先ほど律の話を聞いた時から、4人に覚悟はできていた。
怖がりの澪ですら、怯えながらも律に同行することを決意したのである。
この確認は、4人にとってする必要は無かった。
律「ありがとう…」
4人の反応を見て、律は静かに窓を開けた。
この窓は、侵入経路の確保の為、律が下校前に鍵を開けていたものであった。
窓を乗り越え、保健室内に降り立った。
月明かりによって照らされた室内は薄暗く、開いた窓から吹く風が冷たく感じる。
周囲に“アイツ”の気配は無い。
律は周囲を見渡し、そっと4人に目配せをしてからドアに手をかけ、静かに開いた。
廊下に出る。
闇に伸びる長い廊下は突き当りが見えず、途中非常口の緑と、消火栓の赤色灯が頼りなく灯っているだけで、いよいよ気味が悪い。
彼女達は周囲を見渡し、ここにも“アイツ”の姿が無いことを確認すると、律を先頭にしてゆっくりと歩きだした。
頭上にある緑の蛍光灯が床にぼんやりと反射し、歩くたびに彼女達の影が斜めに伸び、魔物のように壁に立ちはだかっては消えて行った。
昼間は活気と喧騒に満ち溢れている校庭も、夜は木々のざわめきが地を這うように渡り、プールの水面に吸い込まれていく。
プールの側にある簡易トイレの換気扇が風に揺られてカラカラと笑っている。
…この階には“アイツ”はいなさそうである。
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