46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/10/22(土) 01:45:46.98 ID:9yuxyDT00
澪「…行こう」
そう、律に優しく語りかけた。
教室の隅で隠れている間、律が小刻みに震えているのに澪は気づいていた。
自分の命が狙われているのだ、当然だろう。
澪も当然、恐怖に駆られていた。
正直に言うと、今にも逃げ出したいくらいである。
しかし、『変わろう』と決意したあの瞬間から、何故か落ち着いていられた。
律「…ああ」
澪の言葉に答え、立ち上がる。
震える手をギュッと握り締めて、澪と目を合わせた。
普段より力強い澪の瞳は、どこか頼りになる気がする。
携帯電話を取り出し、サイレントモードを解除する。
律「じゃあ…いくぞ」
周りにリリーがいないか細心の注意を払いつつ、扉を開いた。
ギィー…と扉の軋む音が、どんよりとした廊下の暗闇に消えていく。
気付かれたか、と危惧するが辺りにヤツの気配は無い。
耳を澄ますと、ガラン…ガラン…と金属が転がるような音が遠くで聞こえた。
リリーだろうか。
音から察するに、ゆっくりと階段を下りてきているようだった。
ヤツは2階に着いた頃だろうか。
律たちのいる1階まで、あと少し。
音が次第に大きくなっていく。
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