過去ログ - 澪「妖怪リリーちゃん」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/10/22(土) 00:02:31.90 ID:9yuxyDT00

澪「ただいま」ガチャッ

澪母「おかえりなさい、澪ちゃん」

澪(今日の話…怖かったな。でも、家に入ると少し安心する…)

長年過ごしてきた二つとない我が家であるからか、それとも母親の温かい笑顔を見たからか、先ほどまで恐怖に怯えていた澪も、帰宅すると少し落ち着きを取り戻してきた。

澪母「?」

澪母「どうしたの? また怖いお話でも聞いちゃった?」

澪「うん…ちょっと。どうしてわかったの?」

澪母「わかるわよ。娘のことなんだもの」

澪母「今日の晩御飯は、澪ちゃんの好きなハンバーグよ」

澪「ほんと? ママ、ありがとう!」

澪母「どういたしまして。ほら、早く手を洗っていらっしゃい」

澪「うん!」

今日の夕飯はハンバーグだ。
今日は好きなものを食べて、嫌なことは忘れて早く寝ようと、澪はそう考えながら洗面所へと歩を進めた。

澪(唯の話は怖かったけど…変なことしなかったら大丈夫だよな)

洗面所に着くと、澪は汚れと共に恐怖心を洗い流すかのように、丁寧に手を洗った。
石鹸を水で流し、蛇口を閉める。
水の流れが完全に止まったのを確認し、身なりを整えようと目の前にある鏡に目をやった。

澪(あっ…)

鏡に映った自身の姿を目にした瞬間、澪の脳裏に忘れたいあの話がフラッシュバックする。


『トイレの鏡の前に立って、こう唱えるの…

リリーちゃん、リリーちゃん、妖怪リリーちゃん』


澪(鏡…)

一度は治まったかのように思われた恐怖心が再び姿を現し始める。

その恐怖心を振り払うかのように、澪はサッっと踵を返し、リビングへと歩を進めた。

澪(ご飯…食べにいこう)



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