過去ログ - マインドスイーパー
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106:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 22:17:29.64 ID:CGXDMCHp0
「……圭介?」

『汀、時間がない。短く説明するから、すぐにその患者の中枢を見つけてくれ』

「私、ダイブしてるの?」

『そうだ。その患者はレベル6。死の一歩手前にいる。極めて危険な状況だ。精神構造も変化して、極Sランクの危険区域、変質形態Sの六乗と指定されてる。なるべく早くそこを出ろ』

「……分かった」

頷いて、汀は深呼吸して、足を踏み出そうとした。
そこで彼女は、ガチャリと音がしたのを聞いて、足元に目をやった。
汀の右足に、鉄枷がはまっていた。
鎖は壁に繋がっている。
汀は、何度かそれを引っ張って、動かないことを確認すると、ため息をついた。

「そう簡単にはいかないかも」

『どういうことだ?』

「捕まっちゃった。この人、対マインドスイーパー用のトラップを心の中に沢山設置してるみたいだね」

『極稀に、心への進入を許さない特異体質がいる。それがその患者だ。何とかしろ』

「最悪」

顔をしかめた汀の耳に、そこでズリ……ズリ……という何かを引きずる音が聞こえた。
小白が、毛を逆立ててシャーッ、と言う。
少しして、鉄格子の向こうに人影が見えた。
体中に包帯を巻いている。
全裸の男だ。
包帯の所々から血がにじんでいる。
男の手は、六本あった。
足も混ぜると、四肢ではなく、八肢だ。
わき腹から伸びた手で壁の糸を掴んで、男はぐるりと向きを変え、汀の方を向いた。
その目、包帯から除く眼球がぎょろりと動き、口が裂けそうなほど広がる。
男は、四肢にそれぞれ、束にした三、四本ほどの包丁を持っていた。
黒いビニールテープで、包丁が無造作に束ねられている。


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