12:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:03:31.54 ID:CGXDMCHp0
「汀、もう寝る時間だろ」
「隣が煩かったから」
「悪かったよ。もう寝ろ」
「怒らないの?」
問いかけられ、青年――高畑圭介は、少し考え込んでから言った。
「お前は立派に命を救っただろ。怒るつもりはないよ」
「そうなの。なら、いいの」
テディベアを抱いて、汀がにっこりと笑う。
そこには快活そうな表情はなく、げっそりとやせこけた、骨と皮だけの少女がいるばかりだった。
汀は、上手く体を動かすことができない。
下半身不随なのだ。
左腕も動かない。
圭介が、彼女の生活のサポート、つまり介護を行っている。
他にもいくつかの病気を併発している汀は、一日の殆どを横になってすごす。
それゆえに、部屋の中にはテレビやゲーム機、漫画や本などが乱雑に置かれて、積み上げられていた。
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