139:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/23(日) 18:17:02.08 ID:VvTHD4vM0
「まぁ……まだ起きたばかりで分からないことが多すぎるだろうから、ゆっくり理解していこう、な? 私が、君のリハビリと訓練を担当させてもらうから」
「リハビリ? 訓練?」
「うん。大丈夫だ。少し頑張ればすぐによくなるさ」
問いかけに答えず、大河内は続けた。
「何か、流動食くらいだったら食べられるかな? おなかは減ってるかい?」
「全然減ってないよ……」
そこで汀(みぎわ)と呼ばれた女の子は、壁に取り付けられた鏡を見て、動きを止めた。
そこには、老婆のように髪の毛を真っ白にさせた女の子……ガリガリに骨と皮ばかりのやつれた姿をした子が映っていた。
動く右手で顔を触り、それから髪を触る。
白髪には艶がなく、パサパサとした感触が手を伝わってくる。
「これ……私……?」
目に見た事が信じられず、汀は呆然と呟いた。
その頭を撫で、大河内が言う。
「私は、今の髪の方が好きだよ。白い方が素敵だ」
「…………本当?」
「ああ、本当だ」
彼がニコリと笑う。
178Res/185.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。