143:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/23(日) 18:20:20.59 ID:VvTHD4vM0
「わあ、可愛い!」
「大事にしろよ」
そう言って食事に戻った圭介に、汀は箱を抱きながら言った。
「ね、圭介」
「ん?」
「この前ネット見てたらね、死刑判決が出た人、あのさ、女の人拷問して殺した人」
それを聞いて、圭介の手が止まった。
「自殺病は治ったけど、死刑を取り下げるようにって、被害者の人たちが言ってるんだって。不思議だよね。どうしてだろ、って私は思ったよ」
圭介は何事もなかったかのように食事を再開して、そして彼女に微笑みかけた。
「人間って、不思議な生き物だからな」
「それで片付けるの?」
「だって、それが全てだろ」
彼はステーキを咀嚼してから、続けた。
「ほら、アイスが溶けるぞ」
「……うん!」
人形を大事そうに抱きながら、汀はパフェを食べる作業に戻った。
隣には、小白が眠っているケージが置いてある。
圭介はしばらく、感情の読めない無機質な瞳で彼女を見ていたが、やがて自分も、ステーキを食べる作業に戻った。
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