159:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/29(土) 01:16:23.79 ID:veqilnkN0
   「へぇ……赤ちゃん?」 
    
   「今回の対象は、生後一ヶ月の女児。自殺病の第二段階を発症してる。軽度だが、乳児だからダイブにはもちろん細心の注意をはらってくれ」 
    
   「いいの? ナンバーXっていう人は、患者も殺しちゃうんでしょう?」 
    
   問いかけられて、圭介は淡々と言った。 
    
   「ナンバーXは、どうでもいい。お前は、人を助けることに全力を注げばいいんだ。分かるな?」 
    
   「……うん。分かる」 
    
   汀はそう言って、髪を梳く手を止めた。 
   そして圭介を見て、はっきりと言う。 
    
   「私は、その人から、この赤ちゃんを守りながら、自殺病を治療すればいいんだね」 
    
   「分かってるじゃないか。決して、戦おうなんて考えるなよ」 
    
   「どうして?」 
    
   「…………」 
    
   無言を返し、圭介はクローゼットの中から、汀の余所行きの服を取り出した。 
    
   「行くぞ。用意を始めるからな」 
    
   汀はしばらく不思議そうな顔をしていたが、やがて自己完結したのか、頷いて服を受け取った。 
178Res/185.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
板[3] 1-[1] l20 
	このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
	もう書き込みできません。