162:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/29(土) 01:19:07.27 ID:veqilnkN0
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汀は、淡々とした目で、眠らされている赤ん坊を見た。
赤ん坊の頭には、マスク型ヘルメットが被せられている。
そこは円形の部屋になっていて、中心部に赤ん坊がいる。
そして汀がその隣に、圭介が汀の脇の機械の前に。
他のマインドスイーパーは、それぞれ部屋の壁部にあたる場所に腰掛け、マスク型ヘルメットを被っていた。
総勢十一人のマインドスイーパー。
殆どが、十五、六の男女だ。
汀は眠っている小白を抱いて、そしてヘッドセットをつけてからマスクを被った。
そこに大河内が近づいて、しゃがみこむ。
「汀ちゃん、危ないと思ったら、すぐに帰還するんだ」
「せんせ、これが終わったら、一緒に遊ぼう」
大河内の言葉には答えずに、汀は無邪気に言った。
圭介が顔をしかめて、大河内を睨む。
「汀、集中しろ」
「うるさい圭介」
圭介の言葉を跳ね除け、汀は動く右手を大河内に伸ばした。
「ね、約束。ゆびきりげんまん」
「分かった。約束しよう」
大河内が、汀の小指と自分の小指を絡ませる。
そこで圭介が立ち上がり、大河内を汀から引き離した。
「ダイブの邪魔だ。早く配置につけ」
「分かってる。だが、妙な胸騒ぎがしてな……」
大河内が小声で言う。
圭介は息をついて、彼の耳元で言った。
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