17:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:08:25.34 ID:CGXDMCHp0
二回、含みを加えて言うと、圭介は微笑んだ。
「その代わり、娘さんは最も大切なものをなくします」
「仰られている意味が……」
「言ったとおりのことです。植物状態になるかもしれませんし、歩けなくなるかもしれない。しゃべれなくなるかもしれないし、記憶がなくなって、貴女のことも思い出せなくなるかもしれない。具体的にどうとはいえませんが」
「……そんな……どうしてですか?」
「娘さんの心の中にあるトラウマを、物理的な介入によって消し去ります。その副作用です」
端的にそう答え、圭介はデスクから束のような書類を取り出した。
「それでは、今から契約についてご説明します」
「契約?」
「はい。ここで見聞きしたことについては他言無用でお願いします。その他、法律関係のいくつか結ばなければいけない契約があります」
「…………」
「それと」
母親に微笑みかけて、圭介は言った。
「当施術は、保険の対象外ですので、その点もご承諾いただきたいのですよ」
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