過去ログ - マインドスイーパー
1- 20
174:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/29(土) 01:34:13.62 ID:veqilnkN0
「いいか、よく聞けよ」

女医はナンバーXの頭を掴んで、自分の方に向かせた。
「お前をあそこから助けてやったのは、こうやって好き勝手暴れさせるためじゃない。私達の『理想』を実現するための駒として、お前を『使ってやろう』って考えの下、手間隙かけて助けてやったんだ。お前、何か勘違いしてるんじゃないだろうな」

「勘違いなんてしてないさ。感謝してる。してるよ」

「してるならそのニヤケ顔をやめろ」

「分かる?」

ため息をついて手を離し、女医は椅子に腰を下ろした。
そしてタバコの煙を吐き出し、灰皿に突っ込んで火をもみ消す。

「赤十字への警告は十分過ぎるほどやった。お前も、満足しただろ? これ以上やると逆探知される可能性が高い。一旦ジャックをやめて、居場所を変えるよ」

「またかよ」

小さく毒づいて、ナンバーXはニヤケながら鏡に映った自分を良く見つめた。

「ま、仕方ないか」

「我侭言うな。それにしてもお前……」

彼女はふと動きを止めて言った。

「どうやって次の患者が赤ん坊だってつきとめたのさ?」

ナンバーXはニヤリと、およそ少年とは思えないほど口を開いて、不気味に笑った。

「ま、世の中には親切な人が沢山いるってことで」

彼は大きくあくびをして、部屋の出口に向けて歩き出した。

「それだけのことだよ」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
178Res/185.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice