21:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:11:43.95 ID:CGXDMCHp0
*
「やれるか、汀?」
そう聞かれ、汀は小さく震えながら圭介を見上げた。
「やだ。私あの人の娘なんて治したくない」
「我侭を言わないでくれ。人の命を、救いたいんだろ?」
そう言って圭介は、汀の頬を撫でた。
「これが終わったら、びっくりドンキーにでも一緒に飯を食いに行こう。やってくれるな?」
「本当?」
「ああ、本当だ」
「うん、私やる。やるよ」
何度も頷いた汀の頭をなで、圭介は施術室の中を見回した。
十六畳ほどの広い部屋には、ところ狭しとモニターや計器類が詰め込んである。
その中心に、ベッドが一つ置いてあった。
先ほどの女の子が、両手足をベッドの両端に縛り付けられ、口に猿轡をかまされた状態で横たえられている。
そんな状態にも拘らず、女の子には特に反応がなかった。
汀はその顔を覗き込むと、興味がなさそうに呟いた。
「もう駄目かも」
178Res/185.76 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。