24:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:13:54.48 ID:CGXDMCHp0
黒い服を着た修道女のような女の子が二人、ギシ、ギシ、と階段をきしませながら、昇って来るところだった。
何かを話しているが、聞こえない。
顔も確認は出来ないが、マネキンではないようだ。
「トラウマだ」
そう呟いて、汀は近くの避難場所のドアを開けて、そこに体を滑り込ませた。そして静かにドアを閉める。
ヘッドセットの向こうで圭介が息を呑んだ。
『強力なものか?』
「うん。かなり。見つかると厄介かも。昇ってくるから、多分下ればいいんだと思う」
しばらく息を殺していると、二人の女の子は、汀が隠れているドアの前を通り過ぎた。
声が聞こえた。
「でね、国語の小山田。美紀ともヤったらしいよ」
「えぇ? 本当? 何で美紀なの?」
「さぁねぇ。小山田って優しいじゃない。頼まれて仕方なくってことじゃないかな」
「何それウケる。自分から犯してくれって頼んだってこと?」
「バカの考えることはわかんないよ。小山田も災難だよね。よりにも寄って美紀なんかとさぁ」
声が聞こえなくなった。
汀はしばらくしてドアをゆっくりと開け、そこから体を静かに引き抜いた。
女の子達は、上に向かって歩いて行っている。
汀はそれを確認して、螺旋階段を小走りで下り始めた。
『慎重に行けよ。この患者は、レベル5だ』
「うん」
小声で頷いた汀の目に、また二人組の女の子達が上がってくるのが見えた。
先ほどと同じように、避難場所に隠れる。
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