過去ログ - マインドスイーパー
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26:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:15:23.51 ID:CGXDMCHp0
「ゆぶユブユブユブゆぶユブユブゆぶ」

上を見た汀が、一瞬停止した。
今まで昇った女の子達が、全員一塊になって汀のことを見下ろしていたのだ。
そして「ユブユブ」と全員が呟いている。
その女の子達には、顔がなかった。
顔面にあたる場所に、「敵」という刺青のような文字が黒く書いてある。
それを確認して、汀は螺旋階段の中央部分、その空間に飛び込んだ。
それと、女の子達が手に持ったバケツの中身を、下に向けてぶちまけたのはほぼ同時だった。
バケツの中身に入っていた液体が飛散する。
それが当たった階段が、ジュゥッ! と焼ける音を立てて黒い煙を発し、そして溶けた。
液体の落下よりも、汀の落下の方が間一髪で早かった。
どこまでも落ちていく。
まるで、不思議の国に行くアリスのようだ。
汀は溶けてくる螺旋階段を見上げ、そしてそのつくりが、下に行くほど雑になっているのを目にした。
ささくれ立って、ボロボロの階段になっていく。
そんな中、一つだけピンク色に光る電光掲示板があった。
汀はその矢印が指すドアを確認すると、螺旋階段の手すりに手をかけ、体操選手がやるようにクルリと回った。
そしてドアを開け、中に滑り込む。
そこで、彼女の視界がホワイトアウトした。


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