過去ログ - マインドスイーパー
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98:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 22:10:15.40 ID:CGXDMCHp0
そこでドクロマスクの男は、たいまつを脇に投げ捨て、チェーンソーを振りかぶって小白に切りかかった。
化け猫の眉間にチェーンソーが突き刺さり、回転する。
しかし、小白はそれに動じることもなく、額から血を噴出させながら、頭を振り、巨大な足で、男を吹き飛ばした。
人間一人が宙を舞い、燃えている椰子の木の群れに頭から突っ込む。
小白はニャーと鳴くと、震えて動けないでいる汀のことをくわえて持ち上げ、男と逆方向に走り始めた。

『汀!』

目をぎゅっと閉じた汀の耳に、どこからか圭介の声が聞こえた。
汀はそこでハッとして、自分をくわえて走っている小白に言った。

「圭介だ! 目を覚ますよ。小白もついてきて!」

目の前に、突然ボロボロの、木の板を何枚も釘で打ちつけた奇妙なドアが現れる。
それがひとりでに開き、中の真っ白な空間が光で周囲を照らした。
背後でチェーンソーの音が聞こえる。
振り返った汀の目に、人間とは思えない速度で、こちらに向かって走ってくる男の姿が映った。
小白は、それに構うことなく、誰に教えられたわけでもないのに、明らかに小さなそのドアに頭を突っ込んだ。
ポン、という音がして、汀が宙に投げ出される。
ドアの中の白い空間に、汀と、小さな姿に戻った小白が飛び込む。
そこで、彼女らの意識はホワイトアウトした。


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