63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)
2011/10/23(日) 23:18:45.13 ID:T33Cj7z40
中に入ろうと教会の裏に回ると、ベージュ色のネコがいた。
KB「ん?生きてたか、マゾヒストちゃん」
キーべえだった。
さやか「あんたは・・・」
杏子「奴はここの地域のインキュベーター、キーべえだ」
KB「怪獣暴走させてんじゃねーよ。ったく・・・一体誰が止めると思ってんだ?
俺ぁやんねーけどなぁ」
さやか「その・・・」
杏子「もうその事は良いんだよ。つか、うちに来んな!テメェに食わせる飯はねぇぞ!」
KB「そんな事言うなよ。もういっぺん言うけどよ、誰がその力を発現してやったと思ってンだ?
俺に多少は感謝してもバチは当たんねーぞ」
杏子「ちっ・・・勝手にしやがれ」
KB「んじゃ、ちょいと失礼して頂きに行くとするか」
杏子が教会の裏の開いているドアを開けて入ると、キーべえも入って廊下を駆けて行った。
さやか「何あいつ・・・最悪」
杏子「あたし達魔法少女を怪獣を倒す道具扱いしてやがる外道だ。
あんたんとこのキュゥべえと代えてくれよ」
さやか「こっちのは変態だよ?」
杏子「それも嫌だな・・・」
廊下を歩いていると、神父服の一人の男性が反対側から歩いて来た。
杏子父「おかえり、杏子」
杏子の父親の神父だった。
杏子「あぁ、ただいま」
杏子父「そちらの方はお友達かな?」
杏子「そんな所だ」
さやか「美樹さやかです、始めまして」
さやかが頭を下げる。
杏子父「杏子の父親です。仲良くしてやってくださいね」
杏子の父も頭を下げる。
さやか「あ、はい・・・」
杏子父「では、失礼」
杏子の父は廊下を歩いて行った。
杏子「あたしの親父さ」
さやか「優しそうな人だったね」
杏子「ああ、正直過ぎて、優し過ぎる人だ。毎日新聞を読む度に、涙を浮かべて真剣に悩んでるような人でさ。
教義も思いやりに満ちてて、信者の足は途絶えないし、結構布施もある。
で、ある日、怪獣の被害で家族を失った孤児を引き取るようになった。
勿論、金は直ぐに底を尽いたよ。あたし達は一家も孤児たちも食うにも事欠く有様だった。
だから、キーべえに頼んで魔法少女になった。あたしは、あたしの家族達の為に戦ってるのさ。
あたし達が食っていくには金が要る。モモやゆま、孤児達の養育費も掛かる。
布施だけじゃ全然足りない。普通に怪獣狩っても中々ね・・・だから、狩場で怪獣を大きく、強くしてから狩ってる。
あたしは心に誓ったんだ。この力は、全て自分の守りたいものの為に使い切るって。
そりゃ、報酬の中からほんの少しは自分の為に使ってるさ。
でもあたしは一度だって、自分の為だけにこの力を使ったことは無い」
さやか「・・・」
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