過去ログ - 唯「だいはーど!」マクレーン「ケイオン?」
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2:唯「だいはーど!」マクレーン「ケイオン?」[sage]
2011/10/23(日) 00:29:00.53 ID:F1u9E/i00
20XX年12月25日 東京湾の沖合い10km 豪華客船ヨシノブ・タカギ号

〜パーティホール〜

社長「最先端技術の結晶。まさに、巨大スーパーコンピューターがそのまま海を航行している。
   そう言っても過言ではない、このヨシノブ・タカギ号。船内のすべての機能がコンピュータ制御され、
   乗客の皆様に快適と安心を――」

一段高いステージの上ではジョン・フィリップスのスーツに身を包んだ白人男性が滔々とスピーチを
続けている。
そして、華やかなパーティホールの片隅。受話器を握っているのは、くたびれたスーツすらも似合わない
初老の男性。

マクレーン「ああ、ルーシーか? 俺だよ。船の上からかけてる。衛星電話ってヤツらしいんだけど」

ルーシー「船? どうして、また」

マクレーン「実は今、日本にいるんだ。ナカトミ・コーポレーションのクリスマスパーティに呼ばれちまってさ。
      引退のお祝いをしたいからゲストで来てくれって」

ルーシー「へえ、すごいじゃない」

マクレーン「まったく義理堅い事だね。三十年近くも経ってるってのに、俺なんかを憶えてるんだから」

ルーシー「フフッ、父さんはナカトミビル占拠事件を解決したヒーローだもの」

マクレーン「……ヒーロー、か」

ルーシー「あ、待って。マットが電話を代わりたいって」

マクレーン「おおい、勘弁してくれ。俺は代わりたくない。大体、俺はアイツを義理の息子だなんて
      認めてないぞ。俺の知らないうちに子供まで作って――」

ルーシー「その話はもう済んだはずでしょ! 父さんの考えを一方的に押しつけるのはやめて。
     そんなだから、いまだに母さんとも仲直り出来ないのよ。もう切るわ」

マクレーン「ルーシー、ちょっと待て! ルーシー! ルーシー・マクレーン!」

ルーシー「ルーシー・ファレルよ!」ガチャリ



マクレーンは自嘲の笑いを浮かべながら、通話の終わった受話器をしばらく眺めていたが、やがて手近な
ウェイターにそれを渡した。

マクレーン「ああ、君。電話をありがとう」

気を取り直し、と行きたいところだが、そう簡単にはいかない。
それでも水っぽいシャンパンを手に取り、豪華な料理の並ぶテーブルの前に立てば、何となく嫌われ親父から
招待客の気分には立ち返れる。
しかし、どうも物足りない。
隣に若い女性が数人いたのだが、マクレーンは特に気にする事無く、懐からゴロワーズを取り出して
火を点けた。

澪「ケホッ、ケホッ」

澪「あの、すみません。煙草は遠慮して頂けますか。会場内は禁煙ですし……」オドオド

マクレーン「ああ、こりゃ失礼」

マクレーン(昔は空港のどこにいても吸えたもんだがねえ。今じゃ屋根のあるとこは、例え大海原の上でも
      禁煙ときたもんだ……)


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