過去ログ - 唯「だいはーど!」マクレーン「ケイオン?」
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67:唯「だいはーど!」マクレーン「ケイオン?」 [sage saga]
2011/11/06(日) 00:12:58.89 ID:CywMbHuf0
 
澪「一人で行くのか!? ダメだよ! 危険過ぎる!」

和「あなたが一緒に来てもどうしようもないわ。それに、私の方がずっと船内を知っているしね。
  一人で大丈夫よ」

澪「でも……――」

和「澪!!」

澪「はい!」ビクッ

これまでの付き合いの中でも滅多に聞く事の無かった、和の激しい語気。
澪は思わず敬語で返事をしてしまった。

和「お願いだから、言う事を聞いて。今は出来る事を全力でするしかないのよ。私も、マクレーンさんも、
  あなたも」

澪の肩にそっと手が置かれる。先程の語気とは正反対に、その手は優しかった。

澪「わ、わかった…… 無事に帰ってきてね?」

和「約束するわ」



〜船内・キッチン前の廊下〜

クラウスとディードリッヒの二人は脱出用ボートに向かって、急ぎ足で歩いていた。
怒りが体中に充満し、気を抜くと簡単に冷静さを失いそうになる。
たった一人のマクレーンに、部隊は壊滅の一歩手前。右腕のイェンまで殺された。おまけにボートの
準備をしているはずのルッツとエルヴィンとは交信が途絶えてしまっている。
この損害と屈辱に対して、数十億ドルの価値を持つシステムデータだけでは、最早足りない。

クラウス「クソッ、何て事だ。このまま、おめおめ脱出するしかないとはな。マクレーンめ……!」

自然と呪詛の言葉が口をつく。前を歩くディードリッヒは上官の不機嫌を背中に感じ、胆を冷やしっ放しである。
キッチンを通り過ぎ、前に見える角を曲がり、階段を上がって甲板に出れば、すぐに脱出用ボートだ。
クラウスの胸の内では、『今すぐこの場を離れなければいけない』という思いと、『今すぐマクレーンを
八つ裂きにしてやりたい』という復讐心が、相反してせめぎ合っていた。
そして、その胸中を神は見抜いていたのか――

マクレーン「待たせたな!」

廊下の角から急に躍り出たマクレーンが、ディードリッヒの胸を撃ち抜いた。

ディードリッヒ「ぐおっ!」ドサッ

クラウス「なっ……!?」

クラウスが反応するよりも一瞬早く、マクレーンの銃口が向けられる。

マクレーン「てめえもサイモンも似たり寄ったりだぜ」

クラウス「くっ……」

先を急ぐあまり、クラウスはマシンガンには手を掛けず、肩から下げたままにしておいてしまった。
それが仇となり、反応が僅かに遅れてしまったのだ。
クラウスはマクレーンを刺激しないよう、ゆっくりとマシンガンの銃身部分を掴む。

マクレーン「おっと、動くなよ」

クラウス「……勝負しろ、マクレーン」ガチャッ

マクレーン「あん?」

マシンガンが床に捨てられた。
更に、腰に差してあった拳銃もゆっくりと引き抜かれ、やはり床に転がる。
丸腰となったクラウスは大きく両手を広げた。

クラウス「男同士、サシの勝負だ! さあ、来い! マクレーン! 銃など捨ててかかって来い!」

マクレーン「……アホか」パァン パァン

クラウス「ぐぶおぅ!」ドサッ

何の迷いも無く発射された二発の銃弾を胸に浴び、クラウスは仰向け様に倒れた。
床に大の字となり、両目は閉じられている。

マクレーン「へっ、親分に負けず劣らずの締まらねえ最期だったな」


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