過去ログ - 唯「だいはーど!」マクレーン「ケイオン?」
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84:唯「だいはーど!」マクレーン「ケイオン?」 [saga sage]
2011/11/23(水) 23:28:27.22 ID:LQ7NAzFB0
 


無事に着水を済ませたボートは、いまだワイヤーロープへ繋がれながらも、海面に揺られている。
テオは上機嫌で離脱の作業に取り掛かろうとした。

テオ「さてと、あとはワイヤーを外してっと」

脱出成功が間近い喜びのあまり、視線も銃口も唯から外れた、その隙に――

唯「んぁぐっ!」ガブッ

銃が握られているテオの腕に飛びついた唯が、ありったけの力を込めて噛みついた。

テオ「いててて! 離せ!」

驚きと痛みで手から拳銃がこぼれ落ちる。
この無力化が唯に更なる勇気を与えた。
視線が、これまでマクレーンや自分達を大変な目に合わせてきた、最も厄介なものに向けられる。
次に取った行動は、普段の彼女からは想像もつかない程の機敏、かつ大胆なものだった。

唯「えい!」ドボン

ボートの座席に置かれていたラップトップを海へ投げ捨てたのだ。

テオ「ああっ! な、何て事を!」

テオは平手で唯の頬を激しく叩いた。こちらも彼にしては珍しい、怒りに任せての行動だ。

唯「きゃっ!」ドサッ

テオ「クソォ! こ、これじゃ、船を爆破出来ないじゃないか……!」カチャッ

拾い上げた拳銃が倒れ込んだ唯に向けられた。
まだ怒りは収まらず、それどころか脱出への不安が増大していく。

テオ「こうなったら、無事に逃げ切れるまで君には人質になってもらうぞ」

唯「うう……」



一方のマクレーンはまとわりついてくる律や紬らに辟易していた。
腕や服を掴んで、口々に制止の言葉を叫んでいる。

律「こんな高さから飛び降りるなんて無茶だ! 下手したら死んじまうよ!」

梓「やめて下さい、マクレーンさん! 危険過ぎます!」

紬「お願い! やめて!」

マクレーン「黙ってろ! ヒーローの活躍を見たかったんだろ!?」

紬「ヒーローが死ぬところなんて見たくない!」

梓「死んじゃ何もならないです!」

マクレーン「いいからどけ!」

半ばやけくそ気味に彼女らを振り払うと、マクレーンはゴムボートを抱えて舷側欄干によじ登った。
足のすぐ先からは、断崖絶壁によく似た光景が続き、目標のボートが小さく見える。

マクレーン「神様、助けはいらねえから邪魔するなよ……」

わずかに宙を仰ぎ、ボソリと呟く。覚悟を決まった。ボートは既に動き始めている。
船外にまで響き渡る“歓喜の歌”は混声合唱となり、クライマックスを迎えつつあった。
マクレーンは乾坤一擲のダイブを敢行すべく、勢いよく欄干を蹴った。

マクレーン「わあああああああああああああああ!!」バッ


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