過去ログ - 美琴「いつだって私はっ…!」【番外編】
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)
(大阪府)
[sage]
2011/11/05(土) 20:55:43.29 ID:ENX/Uqvxo
ドリンクバーの取っ手に手をかける。用意されたコップにコポコポとオレンジジュースが注がれた。コップの中の氷が温度変化からミシリと音を立ててコップを叩く。コップの冷たさを感じながら、それを取り出す。
その動作が四回繰り返す。パシられたことに不満を覚えながらも、言われた飲み物を準備した美琴。
肩をすぼめて溜息をつこうとして、ドリンクを三つも抱えていることを思い出し動作を取りやめる。
正直、彼のことを話すのは恥ずかしい。今までプライドの高い隙のない女性を演じてきた(つもり)の美琴にとっては少しツライものがある。
わざわざ自慢して話すようなことでもない。自慢できる様な彼氏でもないと思う。パッとしないし、不幸だーと叫んでるし。
自分でもどこに惚れたのか分からない。
優しいところ?かっこいいところ?まっすぐなところ?
自分自身に問いかけ、考え、心を見て、違うと結論を下していく。やはり分からない。
(惚れた弱味なのかなぁ……)
そんなことを思う。
最後のドリンクが注ぎ終わった。
が、すでに手は三つのコップで埋まっている。
その三つを一度台において、ハァと溜息をつき、コップを持ち直す。
そして小悪魔たちが待つテーブルに向き直る。
「……行きたくないわね……」
ボソッとつぶやきながら一歩を踏み出す。
どうもからかわれるのは好きではない。多少の心の痛みがある。
が、それでも彼女らといると心の安らぎを感じる。自分を超能力者とも常盤台のエースとも見ずに、ただの同じ中学生として見てくれる彼女らの元が。
心地よかった。
自分は恵まれてるなぁと感じる。
他の超能力者にはないのかもしれない。
かつての宿敵のあの憎たらしいほどに白い肌を持ったヤツを思い出す。
「……一方通行に友達はいないわね……」
そう誰にともなくつぶやいたのだったが……
「……悪かったな、オリジナルさんよォ」
思いのほか返事があった。
あの憎み、殺したいと思った声が。狂気の笑い声を上げ、同じ顔のクローンを10031体、10031通りの殺し方で殺したその声の持ち主。学園都市というピラミッドの頂点に君臨する、超能力者が。
美琴の真横に立っていた。
先ほどの佐天の時より大きい寒気を覚えながら美琴は自分の左手を見る。手に持ったコップが嫌に冷たかった。
美琴の目に入ったのは、あの赤い目。透き通るような白い肌。純白の髪。
あの実験の時と同じ格好で、否、左手の杖に体重をある程度掛けた格好で。
一方通行がそこにいた。
そしてさらに美琴は驚愕する。
一方通行の後ろ。
一人はそこらのチンピラのような金髪の、ガラの悪い格好の男。
一人はフワフワとした髪の毛で大人びた格好をした女性。
一人は美琴ともなく同じ制服を着た女王様のような女。
一人は夏にも関わらず白の学ランを羽織った、ハチマキをした暑苦しい男。
この個性的な彼らを美琴は見たことがある。かつての絶対能力進化実験の資料で。
能力者180万人の頂点にして、学園都市最強の存在。
「れ、超能力者!?!?」
第七学区のちっぽけなファミレスに、学園都市の最高戦力が終結した。
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