7: ◆goBPihY4/o[saga]
2011/10/23(日) 23:44:40.81 ID:GCXIYf8do
車で飛ばし、第二十三学区の航空宇宙工学研究所まですぐに到着した。
「よーっし、手っ取り早くぶっ壊しちゃおっかな」
「あのでかいアンテナ? 結局、標的が大きいとやりやすい訳よ」
降車し、ぐいっと伸びをして、二人は遠くからでもよく見える衛星通信用の大規模地上アンテナの方へと歩き出した。
と。
麦野の足が止まった。
「ぶ」
すぐ後ろを歩いていたフレンダが、彼女の背中にぶつかってしまう。
「麦野? 結局、どうかした訳……?」
「テメェ、何?」
麦野は、前方を見ていた。
その視線を追って、フレンダもアンテナへ続くアスファルトの上で視線を滑らせる。
そして、彼女は発見した。
ダウンジャケットを着た、高校生ほどの年頃の男を。
「おやおや。これはいけませんね」
男はため息をつき、アンテナを振り返って見て、首を振った。
「邪魔しようって訳?」
「おっけーい、適当に散らす」
麦野もフレンダも、相手が研究所のアルバイトだとか通りかかった一般人などではない事にすぐ気が付いていた。
明らかに自分達と同じ、暗いところをうろうろしている者の匂い。
だが特に緊張もしない。
彼女達は強い。
経験に裏付けられた自信があった。
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