14: ◆Neko./AmS6[sage saga]
2011/10/24(月) 21:46:53.26 ID:ucx2SsZ8o
このままじゃいつものあやせのペースに巻き込まれちまう。
何とかこの場は誤魔化して……
「なあ、いま気付いたんだけど、あやせはどっか予約でもしてあんのか?
俺の部屋はシングルだし、おまえだって俺と一緒に寝るわけにはいかねぇだろ」
「ご心配いただかなくてもけっこうです。
営業所でこちらにいるとお聞きした後、フロントで直接お願いしましたから」
「相変わらず手回しのいいこと……。
俺、もう自分の部屋に戻りてぇんだけど、この手錠……外してくんねぇかなぁ」
意外にもあやせは素直に手錠を外してくれた。
あやせの分も含めて精算を頼み、伝票にルームナンバーを書き込みサインをすると、
俺はあやせを一人残して席を立った。
「じゃあな、あやせも早く自分の部屋へ戻って寝ろよ」
「ええ、言われなくてもこれから部屋へ戻ります。
……でも、お兄さんのことだから、すぐにわたしに会いたくなると思いますよ」
数分後、あやせの予言通りになった。
別に会いたくなったわけじゃない、会わなきゃいけないわけができたんだ。
俺が自分の部屋へ戻り、カードキーをドアの横のカードリーダーへ何度かざしても
電気錠が解錠されることはなかった。
不思議に思ってフロントで尋ねてみると、すでに俺の部屋はキャンセルされていた。
それだけでも驚きなのに、ちゃっかりと別の部屋に変更さているじゃねえか。
もう分かるだろ、あやせと同じ部屋だよ。
俺は半分涙目になりながら、フロントで聞いたルームナンバーの部屋へと向かった。
103Res/78.27 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。