過去ログ - 京介「思えば遠くへ来たもんだ」
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/10/24(月) 02:23:35.57 ID:ucx2SsZ8o

口ではそう言ったものの、都合よく札幌に親戚や知人がいるわけもなく、
ぶっちゃけ何か困ったことが起こったとしても、俺にはまったく頼る宛てがなかった。
念のため定時を過ぎても電話が繋がるようにと営業所の裏番を教えてもらい、
俺は自分の携帯にその番号を入力した。
そんな俺の不安を察したのか、彼女は神業のような速さで俺から携帯を奪い取ると、
自分も制服のポケットから携帯を取り出し電話番号とメアドを交換した。

「もし何かあれば、いつでもわたしに連絡していただいて構いませんから」

笑顔がとても印象的で、こんな所で事務をしているんじゃ勿体無いほどの美人だった。
桐乃やあやせも確かに美人だが、そんな二人を見慣れた俺でも一瞬言葉を失う。
それも、愛らしさと親しみ易さを併せ持った、誰からも好かれそうなタイプの女の子だ。
俺の好きな黒髪ロングではなく、肩までのセミロングなのがちょっと惜しいけどな。
まあ、今時こんな子に彼氏がいないわけもねえだろうけど。

「そう言っていただけると、本当に助かります。
 ……正式な出社は来週からなんで、今日のところはこの辺で失礼します」

何はともあれ、来週からの出社が今から待ち遠しいことに変わりはなかった。

途中、駅前のデパートで宿泊用の着替えだけを買い揃えてホテルへと向かった。
ホテルは雪まつりで有名な大通公園に面した最高のロケーション。
所詮はビジネスホテルだろうと高を括っていた俺の予想を見事なまでに翻し、
そこは東京の都心でも十分に通用する立派なシティホテルだった。

フロントで会社名と名前を告げ、チェックインを済ませてカードキーを受け取る。
床や壁は大理石らしく、吹き抜けには豪華なシャンデリアが煌々ときらめいていたが、
上階の宿泊客専用のフロアは一転して木の温もりのある落ち着いた雰囲気だった。

カードリーダーへカードキーをかざすと、小さな機械音を伴って電気錠が解錠された。
俺は部屋へ入るとサイドテーブルに荷物を置き、ベッドの上へ身体を投げ出した。

あいつ、今頃怒ってるかもな……・


(つづく)


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