過去ログ - 仮面ライダー555 VERSUS リベリオン 対 ギターウルフ ロケ地、白石
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15:ny[saga]
2011/10/28(金) 21:46:12.22 ID:pbUGHxci0
何故、こんな能力が己に備えられたのかは、プレストン自身にも分からないが推測は出来る。
恐らくは感情抑制の薬物の副作用だろう。
彼は自らの感情を持たない代わりに、他人の感情に鋭敏になっているのだ。
専門的に言うならば脳の体性感覚野の再配置とも言えるかもしれない。
人間は脳の一部に何らかの損傷を負った際、
損傷した付近の脳が損傷した部分の脳を、己の役割を効率よく行うために取り込む事がある。
それが脳の体性感覚野の再配置だ。
例えばプレストンのように感情を司る脳の一部分を機能させない事で、
逆に付近の脳の働きが活発になる事例も多々報告されている。

彼が初めて感じる男(以下、ジャケット)の感情は紛れもなく異常を過ぎていた。
憎悪、憤怒、虚脱感。
それらが全て混在し、複合的に各々が逸脱して歪曲されている感情。
これほどの異常感情を感じた事はない。
祖国では深い程度の感情を持つ者は感情違反者として処罰されるが、
ジャケットの感情は感情違反者を超える感情異常者と呼べるほどの異常な感情を有していた。
瞬間、少女を軽く遠くに投げてから、飛翔していた。

「空魔」

呟いて型を移行させる。
鳳雷鷹系統の最上位型、空魔。
自身が回転する事で全方向への射撃を可能とした型だ。

だが、ジャケットはその空魔を軽く避けていた。
空魔の軌道を読み取り、避け、反撃に転じる。
荒削りな拳銃捌きで、華麗とは言い難い動きではあるが、人間を射殺する為には確実な攻撃だった。
拳銃の弾丸はプレストンを僅かではあるが掠め続ける。
どうも本能的に戦う方法を知っているとしか思えない。
まさしく殺戮機械として生きる為に生まれ落ちた醜悪な怪物と言える。
しかし、プレストンは法の執行者、グラマトン・クラリックなのだ。
敗北は赦されない。

「黒獅子」

攻撃重視型、黒獅子。
近接戦闘を主としたガン=カタの型だ。
最大限に効力が発揮されれば、相手との距離がほんの僅かであったとしても、
プレストンは最大の攻撃効果を挙げる事が可能となり、相手の弾丸が自らの身体に触れる事は有り得ないだろう。

それでもやはり、ジャケットは有り得ない動きで攻撃に転じてくるのだった。
黒獅子は相手の拳銃をこちらの拳銃で払いながら戦う型でもあるのだが、
ジャケットはそれを圧倒的な腕力で無理矢理に押し退けていた。
プレストンをして捌き切る事が不可能な乱打だった。
まさに決着が訪れない死闘。
久遠にこの戦いが続くのか、そんな思いがプレストンの頭を掠めた瞬間だった。

「ロックンロオオオオオオオオオオオオオルッ!」

場違いなギター音とシャウトがプレストン達を包んだ。


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