過去ログ - 向日葵「もう、私がいなくても平気ですわね」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:00:40.04 ID:sisJXbsWo
 ※注意書き

・ゆるゆりのSSです

・百合要素ありです

・地の分だらけです

・さくひま(あるいはひまさく)です

・書き溜めありです

・超 長 い で す

・スレ立てのたびに緊張します



 生温かい目で見ていってください


2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:03:03.60 ID:sisJXbsWo



      『お願い Catch me』

以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:06:08.00 ID:sisJXbsWo
 夏が過ぎて、秋の気配も色濃くなってきた頃。

 暑さが和らぎ、冬の寒さがやってくる前の過ごしやすい季節を謳歌する一般生徒とは対照的に、ごく一部では張り詰めた糸のような空気が生まれていた。


以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:06:55.94 ID:sisJXbsWo
 何を隠そう、入学からずっと次期副会長の座を巡って争ってきた二人である。

 ついにやってきたこの選挙は、彼女らにとって宿命の対決といっていいだろう。

「向日葵、立候補を取りやめるなら、まだ間に合うんじゃない?」
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:08:10.87 ID:sisJXbsWo
 何かと突っかかってくる櫻子が、根拠のない自信に満ちているのは、いつものことである。

 だから今回も、どうせ言葉に詰まって怒り始めるのだろうと思っていた──────が。

「だって私、向日葵より友達多いし」
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:08:59.03 ID:sisJXbsWo
 櫻子にしては、極めて真っ当な正論である。

 比較的真面目な校風であるとはいえ、七森中は特別生徒会活動に関心のある生徒が多いわけではない。

 そうなると、役員選挙も、実績などよりも本人の知名度や人柄が大きく影響してくるのは仕方のないことだった。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:09:45.14 ID:sisJXbsWo
「でもさ、演説がそんなに重要なんだったらさ」

「な、なんですの……?」

「今の会長、当選してないんじゃない?」
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]
2011/10/30(日) 18:10:55.05 ID:sisJXbsWo
「それでも会長になれたんだから、演説なんて大して大事じゃないってことだ!」

「ぐうぅ……!」

 まさか向日葵が、櫻子に言い負かされる日がこようとは。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)[sage]
2011/10/30(日) 18:11:45.81 ID:sisJXbsWo
 崩れ落ちる向日葵と、勝ち誇る櫻子。

 特に関心のない投票やアンケートに○を付ける場合、一番最初に書いてあると○が付きやすい。

 これは、統計的にも証明されている。
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:13:08.17 ID:sisJXbsWo
「……よく考えたら櫻子の予想ですし、真に受ける必要ありませんでしたわ」

「なんだとー!?」

 珍しく向日葵を論破したと思えば、“櫻子だから”という理由であっさり全否定された。
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:13:52.38 ID:sisJXbsWo
 ぶつかる視線。

 飛び散る火花。

 避ける生徒。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:14:36.59 ID:sisJXbsWo
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以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:15:17.43 ID:sisJXbsWo



『生徒会副会長 大室櫻子』

以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:16:09.89 ID:sisJXbsWo
 投票結果が伝えられた立候補者二人の反応は、対称的だった。

「やったぁー!! 向日葵に勝ったー!!」

 満面の笑みで、諸手を上げて喜ぶ櫻子。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:16:56.55 ID:sisJXbsWo
 真剣な眼差しで紙を見つめ続けている向日葵。

 そして櫻子の言葉から数瞬遅れて、呟いた。

「そうですわね」
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:17:48.80 ID:sisJXbsWo
(向日葵どうしたんだ……? 泣きたいけど我慢してるのかな)

 とは思ってみるものの、そういうようにも見えない。

 その姿は、一心になにかを考えている風に思えた。
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:18:43.41 ID:sisJXbsWo
「お気遣いありがとうございます。それより杉浦先輩も、生徒会長当選おめでとうございます」

「あ、ありがと……まあ、信任投票だったけどねっ」

 それでも綾乃は顔を赤くして、照れくさそうにしている。
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:19:47.75 ID:sisJXbsWo
 泣きながら悔しがる向日葵を前に、当選を自慢してやろうと考えていた櫻子には、これは大いに不満な展開だった。

 勝利の余韻とか、達成感とか、そういったものがなにもないではないか。

 思わずイラッとした櫻子は、綾乃たちと話し続ける向日葵の背に叫んだ。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:20:33.77 ID:sisJXbsWo
 向日葵がそっと指を伸ばし、櫻子の額をつつく。

「おめでとうですわ、櫻子。私に勝ったからには、きちんと副会長の仕事をするんですのよ?」

「お、おう……?」
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:21:31.15 ID:sisJXbsWo
「……向日葵っ」

「だから、さっきからなんですの?」

 櫻子は、大きく息を吸い込んで、言った。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:22:35.76 ID:sisJXbsWo
「いてて……なんだよ、いつもの向日葵じゃん……」

 蹴られた腹を押さえながら、櫻子は廊下を歩く。

 先ほどの反応で、向日葵まさかの別人説は否定されたものの、しかしそれでも疑問は残る。
以下略



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