過去ログ - 向日葵「もう、私がいなくても平気ですわね」
1- 20
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:16:09.89 ID:sisJXbsWo
 投票結果が伝えられた立候補者二人の反応は、対称的だった。

「やったぁー!! 向日葵に勝ったー!!」

 満面の笑みで、諸手を上げて喜ぶ櫻子。
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:16:56.55 ID:sisJXbsWo
 真剣な眼差しで紙を見つめ続けている向日葵。

 そして櫻子の言葉から数瞬遅れて、呟いた。

「そうですわね」
以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:17:48.80 ID:sisJXbsWo
(向日葵どうしたんだ……? 泣きたいけど我慢してるのかな)

 とは思ってみるものの、そういうようにも見えない。

 その姿は、一心になにかを考えている風に思えた。
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:18:43.41 ID:sisJXbsWo
「お気遣いありがとうございます。それより杉浦先輩も、生徒会長当選おめでとうございます」

「あ、ありがと……まあ、信任投票だったけどねっ」

 それでも綾乃は顔を赤くして、照れくさそうにしている。
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:19:47.75 ID:sisJXbsWo
 泣きながら悔しがる向日葵を前に、当選を自慢してやろうと考えていた櫻子には、これは大いに不満な展開だった。

 勝利の余韻とか、達成感とか、そういったものがなにもないではないか。

 思わずイラッとした櫻子は、綾乃たちと話し続ける向日葵の背に叫んだ。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:20:33.77 ID:sisJXbsWo
 向日葵がそっと指を伸ばし、櫻子の額をつつく。

「おめでとうですわ、櫻子。私に勝ったからには、きちんと副会長の仕事をするんですのよ?」

「お、おう……?」
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:21:31.15 ID:sisJXbsWo
「……向日葵っ」

「だから、さっきからなんですの?」

 櫻子は、大きく息を吸い込んで、言った。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:22:35.76 ID:sisJXbsWo
「いてて……なんだよ、いつもの向日葵じゃん……」

 蹴られた腹を押さえながら、櫻子は廊下を歩く。

 先ほどの反応で、向日葵まさかの別人説は否定されたものの、しかしそれでも疑問は残る。
以下略



22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:23:42.41 ID:sisJXbsWo
 だから生徒会に入るのは当然。

 副会長を目指すのは当然。

 向日葵がそうするから。
以下略



23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:24:24.94 ID:sisJXbsWo
(…………あれ?)

 そこまで考えが至って、なにか違和感を覚える。

 なにかがおかしい。
以下略



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/10/30(日) 18:25:46.34 ID:sisJXbsWo
 他の誰かが聞けば、どうして今さらそんな当たり前のことをと思っただろう。

 しかし、櫻子は今、ようやくそれを理解した。

 もう向日葵と副会長の座を巡って争うことはない。
以下略



669Res/292.97 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice