過去ログ - 向日葵「もう、私がいなくても平気ですわね」
1- 20
622: ◆hoVWUTvbEQ6i[saga]
2012/01/01(日) 03:49:53.17 ID:20cc3qmSo
「もういいかな」

 呆然とした向日葵を見て、揺さぶりは十分だと見て取った撫子は、机の引き出しから一枚の紙を取り出した。

 そして、


623: ◆hoVWUTvbEQ6i[saga]
2012/01/01(日) 03:51:31.81 ID:20cc3qmSo
「……見たんだ」

「……ええ」

 同じものを見たのだと悟った櫻子に、向日葵はうなずいた。
以下略



624: ◆hoVWUTvbEQ6i[saga]
2012/01/01(日) 03:52:14.16 ID:20cc3qmSo
 ひらがなばかりで書かれた──────“記入した”とはとても言えない、婚姻届。

 わざわざ「夫」を「つま」に書き直してまで、二人を並べてある。

 その下には、お互いのことを描いた絵が。
以下略



625: ◆hoVWUTvbEQ6i[saga]
2012/01/01(日) 03:53:09.62 ID:20cc3qmSo
「なんでねーちゃんが持ってるのかと思ったよ……」

 撫子いわく、「保証人だから」だそうである。

 おそらくは、二人が書き散らした後、こっそり回収していたのだろう。
以下略



626: ◆hoVWUTvbEQ6i[saga]
2012/01/01(日) 03:54:00.97 ID:20cc3qmSo
 ならば。

 あのころから変わってないというならば、答えは決まっている。

 二人は、
以下略



627: ◆hoVWUTvbEQ6i[saga]
2012/01/01(日) 03:55:13.00 ID:20cc3qmSo
「櫻子」

 いつか鏡で見た自分の顔より、さらにこけてしまった、その頬をなでる。

 喧嘩のときにつねるとやわらかな弾力のあった、その頬を。
以下略



628: ◆hoVWUTvbEQ6i[saga]
2012/01/01(日) 03:56:04.70 ID:20cc3qmSo
 櫻子は泣かなかった。

 先月のように、泣きじゃくったりはせず、ただ向日葵を見つめていた。

 だから、その分も向日葵が泣いた。
以下略



629: ◆hoVWUTvbEQ6i[saga]
2012/01/01(日) 03:56:41.40 ID:20cc3qmSo

                            ・
                            ・
                            ・
                            ・
以下略



630: ◆hoVWUTvbEQ6i[saga]
2012/01/01(日) 03:57:14.85 ID:20cc3qmSo
「ねえ」

「なに?」

「大好きだよ」
以下略



631: ◆hoVWUTvbEQ6i[saga]
2012/01/01(日) 03:57:48.40 ID:20cc3qmSo
「……ねえ」

「なに?」

「キス、してみよっか」
以下略



669Res/292.97 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice