52:第二話(19話)―――ステイル「はっきり言って、弱いよ」 香焼「……」
2011/11/01(火) 20:05:08.29 ID:LnzJmGBD0
一寸後、部屋に戻り治療を受ける。軽度の火傷と多少の打撲。
五和が溜息を吐きながらテキパキと薬を塗ってくれた。
五和「まったく。修行中に余計な事考えないの」ハァ・・・
香焼「……ん」ムスー・・・
ベランダで煙草を吹かしているステイルが此方を向かずに、呟いた。
ステイル「魔術師にもタイプがある。大きく分けて3つだ」プカプカ・・・
香焼「え」チラッ・・・
ステイル「戦闘魔術師、研究魔術師、それから逸れ(はぐれ)モノ。僕達必要悪の教会(ネセサリウス)は主に一つ目だ」
香焼「そんなの、言われなくても」
ステイル「分かってるだろうな。だけどそうは見えない」フンッ
言いたい事は分かる。所詮、僕は木っ端者だ。
ステイル「正直、君達(天草式)の『不殺(ころさず)』の理念は好きにはなれない。戦闘魔術のそれではないからな」チラッ・・・
香焼「…………、」ジトー・・・
ステイル「まぁそれを今議論するつもりはない。そして百歩譲ってそれを良しとしよう」ジー・・・
香焼「……で?」
ステイル「『不殺』。その理念は何よりも難しい。魔術師の世界では尚更だ。意味が分かるか?」
魔術で相手を納得させる必要がある、と。
ステイル「綺麗な言い方だな。実質は喧嘩のそれと変わらない……圧倒的な魔術(暴力)で敵を黙らせる。まさにこれだ」フンッ
香焼「それは違うだろ。実力派もいれば技巧派もいる。戦い方によって」
ステイル「同じ事だ。腕の立つ魔術師であれば技巧も実力も関係無い」
そう言って、喫っていた煙草を燃やしつくした。
ステイル「教皇の神裂本人は別に構わん。『力』が有るからな。何とでも言える」
香焼「そ、そんな言い方!」ギロッ・・・
ステイル「黙って聞け。そこの五和も同じだ。まだ未熟とはいえ、実力はそこそこ。教会内でも屈指のホープだろう」チラッ・・・
五和「……はぁ」ポリポリ・・・
それは分かっている。彼女と比べれば実力・努力共に僕は劣っている。
だから、何だ?
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