918:第五話―――神裂「正直、あの子の考えてる事は分かりません」 香焼・五和「「うんうん」」[saga]
2012/01/27(金) 04:50:17.38 ID:m5C9CKCk0
浦上「うん……でもさぁ。ルチアって人間を考えてみると、その境遇ってジレンマが生じてるよネ」グデェ・・・
ルチア「…………、」ジー・・・
浦上「正直ネ。ルチアの性格はある意味、香焼より甘い。甘いというより潔癖過ぎるんですヨ。あ、別にそれが悪いってんじゃないですヨ」コクッ
ルチア「一緒にされるのは甚だ不快ですが……続きは?」ジー・・・
浦上「任務で殺奪を行うのは楽だと思うヨ。多分、『教義』や『部隊』の為に何も考えず実行してるんだろうからネ」ピッ・・・
フロリス「んなキラーマシーンみたいな言い方……合ってるか」ハハハ
ルチア「確かに……事実ですね。ですが、だから?」ジトー・・・
浦上「ルチアが、『魔術師(シノギ)』か『聖職者(シスター)』かのどっち色が強いかと言われたら……フロリス」チラッ・・・
フロリス「え? まぁ……シスターじゃないの? 実際敬虔なクリスチャンだし。あ、でも魔術師としても優秀だな」フム・・・
浦上「どっちか、だヨ」ニヤリ・・・
フロリス「んー……じゃあシスターね」コクッ
浦上「私もそう思う。多分、他の殆どの知人もそう言う筈。アニェーゼやアンジェレネでさえ、ネ」チラッ・・・
ルチア「…………、」ムッ・・・
浦上「此処に、矛盾(ジレンマ)。今ルチア悩んでるでしょう?」フフフ・・・
ルチア「…………、」ジー・・・
フロリス「え? どゆこと?」キョトン・・・
浦上「ふふふ……まぁ所詮私の解釈だけど、ルチアは今の言葉を素直に喜べないんですよネ。自分の理想と違うから」ニヤリ・・・
ルチア「……何故、そう思うのですか?」チラッ・・・
浦上「既に貴女は『駒』じゃないもん。アニェーゼの『頭脳』であり『右腕』でありたいと考えている」フンフン・・・
フロリス「まぁそれも殆どのヤツらが思ってる事だよな。多分アニェーゼもな。じゃあその解釈がマジなら願望通りじゃん」チラッ・・・
ルチア「……それも、貴女方の勝手な考えでしょうに」クイッ・・・
浦上「ならそれでもいいヨ。でも……仮に『そうあれ』と期待を寄せられているのであれば、それは裏切れない。でしょ?」ジー・・・
ルチア「……『彼女』がそう望むのであれば」コクッ・・・
浦上「でも、その望みは……綺麗事では勤まらない。参謀であるならば多少汚く生きなきゃいけない」ジー・・・
フロリス「そうね。ぶっちゃけ汚れ仕事とか色々責任負わなきゃならないからなぁ」フム・・・
浦上「加えて、これからアニェーゼに待ち受けているであろう『大人との汚い出資的交渉』をもルチアが背負うつもりでしょ」チラッ・・・
フロリス「あー……つまり、ベイロープがやってる事をルチアに置き換えれば良いのか?」フム・・・
浦上「そゆこと。それが分かり易いネ。英国の保護下(傘下)に居るのは安全だけど……所詮は天草式(ウチ)同様、外様部隊」ハァ・・・
ルチア「……そうですね。使い勝手の良い便利屋です。便所掃除から殺し、死体処理まで任されます」ジー・・・
浦上「そこから一、自由行動(方針)の権利を持った部隊になるには、それなりのバックアップがなければいけない」コクッ
フロリス「そのバックアップ集めは大変よ……ベイロープ見てれば分かるもの。彼氏居るのにホステスみたいな真似してまでさぁ」ハァ・・・
浦上「天草式は女教皇様が主教補佐次席という地位を獲得してるからまだしも……アニェーゼ部隊はそれが無い」ジー・・・
フロリス「あー大体掴めてきた。要は部隊を強くする為には汚い事しなきゃならない。でもルチアはその対に位置する女だ、と」チラッ・・・
ルチア「必要とあらば……私の身体くらい容易く売りますよ。それがあの子達(アニェーゼ部隊)の為になるのでしたら」ジー・・・
浦上「誰もそんな事して欲しいと望んで無いのにネ……本人の意志と周りから要求されてる『在り方』がこうも違う。まさしくジレンマ」ニヤリ・・・
フロリス「なるほどねぇ……なぁルチアっち。もし『そうありたい』なら、もう少し遊びを覚えるべきよ」ヤレヤレ・・・
浦上「機械女に交渉の余地は無いだろうって思われたらおしまい。それに『カタギ』から外れた人間……遊びを覚えないと痛い目見るヨ」ジー・・・
ルチア「理屈では分かってますよ。将来的に困るのでしょう? ですが……やはり、なんとも」グッ・・・
浦上「不器用だネ……『理屈の理解』と『本音心情』のギャップ。ホント、ウチの『誰かさん(甘ちゃん)』にそっくりな葛藤だヨ」フフフ・・・
フロリス「だが……それがいい、ってか。嫌いじゃないわ。そういう崇高な心ってヤツ」ポンポンッ・・・
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