過去ログ - 淫魔「んふふ」 修道女「闇の気配がする……」
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38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です)(沖縄県)
2011/11/06(日) 12:14:30.47 ID:MJKDne9Zo
体育館

淫魔の頭と胴体は溶けて赤い水となり、その赤い水も床で泡だって完全に気化して浄化された。
無数の白い糸に絡まった、主を失った両手両足、それに二本の翼はそのままで、淫魔の胴体がかつて存在した空間を、暗に示していた。

修道女「最後の仕上げね」

修道女は優れた退魔師だった。
どのような種類の油断も、悪魔に対してはするべきでないと知っていた。
さらに現世に顕現している以上、悪魔といえども、生物的な束縛からは逃れ得ず、聖水による浄化が最良にして絶対の退魔のすべであることも知っていた。
だから修道女は必要以上に悪魔を恐れることなく、しかし、気を緩めることもない。
持ち主を失った無力な白い四肢と、黒い両の翼にも修道女は警戒を緩めなかった。

ハンドバッグからじゃらじゃらと聖水の小瓶を何本も取り出し、うごめく糸に栓を抜いたビンを渡して、天井近くまで広がる黒い翼に聖水を振りかけさせ、溶け残った四肢には、修道女自身が聖水を振りかけた。

臓器や胴体と同じく、糸の食い込んだ白く柔らかな四肢は赤い水となり、翼は黒い水となって泡立ち、流れ、消え去って、完全に浄化された。

淫魔は肉の一片、髪の一筋、血の一滴残さず、この世から消え去った。
しかし、退魔師にとっては、いくつもの狩りの一つでしかない。
満足そうな表情をわずかに浮かべ、しかしすぐに修道女は視線を上げた。

修道女「逃がさない」


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