過去ログ - 上条「なんだこのカード」 SEASON 4
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315:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/06/07(木) 15:13:12.33 ID:kuk3dVuOo

初春「佐天さん、こ、これ」

それは、危険物や指名手配犯を意味する表示

これがなされたと言う事は、当然この佐天涙子がそういう人物であるという意味でもあるし

なにより、すぐさま警備員が来るということである


佐天「ああ、やっぱりこう来ちゃいますかー」


初春の方こそ混乱したような顔をしているが、当の本人は予想済みと言わんばかりに落ち着いている

佐天「アタシが初めて逃げ出せた人間っぽかったしなぁ。情報が外に漏れるのを全力でカバーしますか。……アタシ一人の力なんて、所詮、たかが知れてるのにさ」


初春「え、これって。どっ、どういうことで、どうしましょう、佐天さん!?」

佐天「……ねぇ、初春」

初春「は、っはい」


佐天「あはは。さっきから"はい"しか言ってないじゃん」


少女が悲しいくらいに軽く笑う一方で、ウーウーとけたたましいサイレンの音が近づいてくる

佐天「アタシ、捕まるべきかな? それとも、"全力で"逃げるべきかな?」

初春「それは……」


答えられるわけがない

彼女は目の前の友人がなぜこんなことになっているのか、その理由を知らないのだから

まさか、学校をサボった程度で警備員に確保されるなんてことはありえない

そして話だけを考えれば、むしろこの友人は被害者側なのだが

佐天「……はぁー。こんな選択まで初春に委ねちゃう時点で、また"甘い"とかあの人に言われるんだろうな」


初春「あの人?」


佐天「そ、あの人」

言いながら、血を拭って最低限見えるようになった携帯端末の物理ディスプレイの画面を見つめる

見ようとしていたのは、我が学校の名簿のデータ。生徒会の権限で接続した、管理の緩いネットワークから得たものだが

生徒会長のところは空白になっているし、クラスの名簿の自分の場所も空白になっている

佐天「……ごめんねー初春。あのタオルなんだけどさ」

先ほどまで見ていた携帯端末を、そのまま川に投げ込んだ。もう必要はないと言わんばかりに

そして、橋脚から主桁へ斜めに伸びた細い柱に引っ掛けたタオルを指差す

初春「はい?」


指で示されたままに、初春はタオルを見た

佐天「やっぱり、買って返せないっぽい」

初春「い、いや、そんなの、いいですよ。気にしなくて」

と、振り返って友人の方を見たときには

初春「あれ? 佐天さん?」


すでにその少女はいなかった


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